シリーズ「あおば子育て事情」は江口 寛さんの文です。彼は30年来の私・大貫の友人です。私の市政ファイル382号からの転載です。
横浜の中学3年生が使っている「育鵬社の公民教科書」が「日本国憲法」をどう扱っているかを調べました。
まず、見出しが「大日本帝国憲法と日本国憲法」で、他社の「日本国憲法とは」(帝国書院)、「日本国憲法の基本原理」(東京書籍)に比べ異常です。そして、色刷りの「大日本帝国憲法発布の写真」「五箇条の御誓文」「大日本帝国憲法の理念」「英文で書かれた日本国憲法の憲法草案」に驚かされました。
もっと驚いたのが、「教師用指導書」に示された「板書例」です。初めに「憲法とは何か」を3行、最後に「日本国憲法の基本原則」を3行。残り3分の2が、「2つの憲法の比較」(それも次のように中身には全く触れず、恣意的に拾い上げた制定過程だけです)
大日本帝国憲法の制定
・明治:五箇条の御誓文⇒多くの憲法草案。伊藤博文を中心に8年の歳月をかけて完成。アジアで最初の近代憲法
・大正:「天皇機関説」日本の民主主義が進む
・昭和:戦時体制⇒民主主義が後退。日本国憲法の制定
1945年10月 GHQが日本政府に憲法改正を指示
1946年2月8日 日本政府案をGHQに提出
1946年2月13日 GHQが日本政府案を拒否、GHQ案を提示
1946年3月6日 GHQ案をもとに憲法改正草案を発表
1946年6~10月 憲法改正草案を国会で審議 (一部省略)