シリーズ「あおば子育て事情」は江口 寛さんの文です。彼は30年来の私・大貫の友人です。私の市政ファイル315号からの転載です。
東京書籍の教科書(中一国語)で「ハチドリの秘密」を学びました。
中南米の一部にのみ生息するハチドリは、鳥のうちでいちばん小さく、体の長さわずか3センチ、スズメバチよりほんのわずか大きいだけという種類さえある。小さな巣を作って、豆粒ぐらいの卵を産む。そしてチョウやミツバチのように、花のみつを食物にしている。小さな翼をブーンと震わせ、飛びながらみつを吸うのである。
そんな時、気仙沼市の学校で、「ハチドリ計画」という、地域ぐるみの環境教育に取り組んでいるというパンフレットを目にしました。「ハチドリ計画」と名付けたわけは、南米の原住民の伝承によります。
あるとき森が燃えていました。
森の生きものたちは、われ先にと逃げていきました。
でも、クリンディという名のハチドリだけは、いったりきたり、口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは、火の上に落としていきます。
動物たちはそれを見て、「そんなことをしていったい何になるんだ。」といって笑います。
クリンディはこう答えました。
「私は私にできることをしているの。」
何かと、八方ふさがり、閉塞感に取り囲まれそうな日々。ちょっとホッとした伝承だった。